COLUMN

ロクガツノコト’23

親知らずを抜いた。

本当にその一言に尽きる六月。

検診くらいの軽い気持ちで歯医者に行ったのが5月25日。本当にただただ見てもらいに行っただけなのだが、とんとん拍子で親知らずを抜く日程が決まっていく。

確かに何年も前から親知らずを抜くことに興味はあった。

疲労が溜まると左下奥の親知らず周辺が腫れてしまっていた。その状態はとても煩わしくて、なんとか解消したいとは思っていたし、お世話になっている歯科医にも相談していた。でもなんだかんだ理由をつけて、ずっと避けてきた。

それが6月16日、今まで避けてきたのが嘘かのように予定通りに親知らずを抜いた。

まず奥歯に麻酔をかける。その麻酔薬が苦くて苦くてしょうがない。芸人さんがセンブリ茶を飲んでリアクションを取るみたいな一昔前のテレビがあったけど、そんな感覚なのだろうか。何度か嗚咽を漏らした。
その後、奥歯をガシガシとテコの原理で抜こうとしていく。抜くと言うよりかは砕いている。痛みはないのだけど、バリバリバリと歯が砕ける音だけが耳に響く。31年間生きてきて聞いたことのない音だ。

気分は最悪。しかも全然抜けない。先生がめちゃくちゃ引っ張っているのに、全く抜けてくれない。

確かに不思議だ。歯は重力に負けないように、あるいは噛む力に負けないようにどこかに引っ付いている。サクサク抜けてたらたまったもんじゃない。そう考えれば、簡単に抜けてくれない歯に感謝しなければとも思う。

先生が歯と格闘し続けて45分ほど経過し、ようやく歯が抜けてくれた。

「反対の親知らずも抜ける時に抜いた方が良いですね」

先生にそんなことを言われて、力無く笑うしかなかった。

地獄はまだ続く。

親知らずを抜いた後には穴がぽっかりと開く。そこに食べ物が詰まったりする。穴を清潔に保つために綺麗にはしなければいけないのだけど、傷口を掘り返してしまうと完治せずに骨が出たままになってしまうらしい。その症状に陥ってしまう人が親知らずを抜いたうちの3%とかネットに書いてあった気がする。

僕はその3%に見事選ばれた。

日常を生きていて、酷い痛みではないのだけど気付けば脂汗がじとっと滲んでくる。歯を抜いて1週間は痛み止めを常時服用していないとモゾモゾしてしょうがない。

そうなってしまった人がどうするかと言うと、再び歯医者を訪れ、傷口を再び傷つけて、血を出してかさぶたを作るのだ。

2度と親知らずなんて抜くものかという気持ちになった。それと同時に2度と傷口をほじくり返して、わざわざ血を出すなんて愚行に走らせるものかと強い決意をした。その結果、それから3日間の食事はスープだけ。固形物は一切食べず、気づけば体重は5kgも減っていた。それ以降、なぜだかその体重がキープされている。10年近く前の体重に戻った。

というわけで親知らずダイエット、おすすめします!(?)

てな感じなロクガツノコト。

(今も穴は空いてるけど、傷口が塞がっているのでうがいで穴を清潔に保つことができています。嬉しいです。好きなものを好きなように食べられています。)

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